ペットの声が聞こえたら 永遠の約束編
」のレビュー

ペットの声が聞こえたら 永遠の約束編

オノユウリ/塩田妙玄

アニマルコミュニケーター

ネタバレ
2024年8月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 私には動物の声は聞こえませんが、アニマルコミュニケーターと呼ばれている人達には動物の声が聞こえるんですね。半年程前に読んだ「あの世の社会科見学」にも、死してなお飼い主を心配して『お母さんのお世話をお願いします』と頼んで回っているワンちゃんが登場していて、なんて健気なんだと驚きましたが、こちらの本はペットに特化しているだけあって、より多彩で、より詳細ですね。人それぞれ考え方が違うように、ペット達もそれぞれ考え方が違って個性的なんですね。嫌いな相手(猫)をボコボコにするために、人間に見つからない所で隠れていたりするのはいただけませんが、悪意を以って思惑を隠そうとしたり欺こうとしたりする子がいるのは人間界と大して変わらないですね…。猫ちゃん達、拳で語り合った結果仲良くなったようで良かったですが…参考までに、聖書に登場する神ヤハウェは詐欺をする人間の行いを見ていて、これを因果として地震を起こすと言っています。ノアのような善人は助けるが、悪事を他人事のように放置する人達は全員同罪という事でしょうかね。つまり一人一人の心がけ次第で天災は防げるのかもしれないんですが、正しい行いができなかった証拠を突き付けるかのように文明は何度も壊されてきた形跡があります。奇しくもこの本の著者(原作)は高野山の僧侶だそうですが、仏教で言うところの六道輪廻によると、ペット達もそのうち人間として生まれ変わる事もあるのでしょう。願わくば、人間界の泥には染まらずにいてほしいものです。仏陀がそう言っていたように。ペット達の世界には、もちろんほっこりする話もたくさんありました。「姐さんスゴイっスね」「どう捕るんですかい?姐さん!」などと言いながらぞろぞろついていく猫達には思わず吹き出しましたし、中でもショコラ編は非常に感動的で鳥肌が立ちました。良くないものに接すると鳥肌が立つとは言いますが、逆に感動でゾクゾクして鳥肌が立つこともあるんだなぁ、と…。チョコちゃん、ショコラちゃん、お母さんを見つけることができて本当に良かったね。ただ、辛い境遇を生き抜いてきた子は肝が据わってくるので、ぬくぬくと生きてきた子とは違って何が起きても動じない強い子に育つよ。刀も鍛えなければなまくら刀だけど、打って鍛えれば強くなるようにね。むしろそっちが本来の目的なんだけど時には休息や補給も必要なので、今は「優しいお母さん」とお幸せにね。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!