花嫁のカヤ
」のレビュー

花嫁のカヤ

野原耳子/桝目の助

タイトルから想像する明るさは少ないかも

ネタバレ
2024年8月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 今日現在、NEWマークが付いてるから新刊なのですよね…?そんな出たばかりの作品を【読み放題】で読める喜びを感じつつレビューします。
先生の作品を3作読んで分かったことは…「人の死に対して容赦がないな」と思える点です。どの作品も必ずと言っていい程、主人公か相手かの近しい人物の死があります。それが過去か未来かの違いはあれどまず間違いなく組み込まれているので、ファンタジーと言えども心を抉られる展開が多くあります。だからこそ読者は、主人公達の心情や幸福に寄り添う気持ちが湧いて、ストーリーに入り込めるのだと思いますが、辛い話が苦手な人にはあまりオススメできません。
剥き出しの憎悪や暴力を見せつけられ醜悪な人間の在り方に絶望した二人が、お互いを愛する気持ちだけで未来や希望を信じて生きる姿が印象的でした。一冊ながら主カプ以外の登場人物たちの気持ちまで程よく書かれていて、全てが中心のユーティとカヤの愛を際立たせる役割をしていて綺麗にまとまっていると思いました。
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