このレビューはネタバレを含みます▼
シリーズ2作め兄編です。弟編でも言いましたが、やはり私は兄の話の方が好きです。兄弟揃って世の中を捻くれた目で見てるようなところは似てるんですけど、同じではないんです。兄の方が、血筋・家柄などのステイタスがあり、金もルックスもハイレベルのものを持っている、唯我独尊タイプにありがちな御曹司クズっぷりが徹底してるんです。
ですので、事が起こってしまえば「それ見たことか」なんて当たり前で、普通に「ザマァ」と思いますよね。でも、何だかんだ言っても、ここは誰にとっても(ザマァと言いつつ読者にも)辛いターンなんですよね…この禊のような苦しみがあってこそのラストで、人間性のコアな部分までは腐っていなかった証明でもあったと思うんです。
普通に考えれば、弟の方が人間性は良いと思うけど、私はどうしても改心した人を見捨てられなくて、兄のような救済ストーリーの方が好きです。それに「世の中、金でどうにでもなる」と思ってそうな不遜なタイプが、結果的に金も地位も無くしてはいないけど、「最後は愛を取る」ってロマンチックだなと思います。
ただ、こちらはオメガバースでもかなり不憫だと思うし,差別的でもあるので、苦手な人は気をつけてください。