夜明けのリトルマーメイド【電子限定描き下ろし付き】
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夜明けのリトルマーメイド【電子限定描き下ろし付き】

上野ポテト

人魚姫をモチーフとした長い長い片想い

ネタバレ
2024年8月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 潮心(うしおまこと)は中1の夏休み、夜の海辺で永浜信章と出逢います。歌が好きなマコトは、声変わりしてからは夜中に海に向かって歌っていました。そこに突然信章と名乗る少年が現れて、マコトにそのまま歌うように言います。一生懸命歌って気がつくと信章は眠っており、マコトは慌てて毛布を取りに行きますが、戻った時にはもう信章はいませんでした。その時の不思議な心地良さが忘れられずに高校生になったマコトは、信章と同じクラスになります。見ているだけで満たされるマコトは信章と直接関わることは無く、3年生になって一度だけ友達を交えて映画に行きます。二人になった帰り道で、マコトは信章が夜の海辺のことを覚えてはいるけれど自分のことまでは覚えてないこと、そして嬉しいがわからない、心というものがわからないという信章の内面を知るのでした。3度目の出逢いは大学3年になってから、この時二人は夜明けの街でキスをします。そしてまた離れて…と、もどかしくじれったい恋はどこまでも静かで乾いた空気感のもとに進んでゆきます。ただ一途に信章を思い続けるマコトの願いに応えるかのように、二人は何度も再会します。その偶然にわざとらしさは無くて、「運命力」が恋を成就させるファンタジーとして成立しています。海辺、歌声、王子様など人魚姫のモチーフを散りばめつつ、世間という人の波から浮き上がった二人がゆっくりと結ばれてゆくお話。エロなしです。
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