1945シリーズ
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1945シリーズ

尾上与一/

蒼穹のローレライ

ネタバレ
2024年9月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 悲惨な経験を経て、ただひたすら家の名誉回復の為に武勲を上げて死ぬ覚悟の塁。そんな塁を包み込み、献身的な愛を注ぎ続ける三上。二人の心の通い合い、そして塁の変化。体を繋げる意味も「誓い」。塁の最後の出撃、零戦の唸る音と静かな青の空。塁の心の叫びが本当に切ない。冒頭部分で悲しい結末は想像できたけれど、このクライマックスは心を抉られます。三上が、最後に累がU字の部品を付けた気持ちを知ることができて良かった。この時代、きっとあちこちの戦場でこの二人のような誓いと別れの数々があったのでしょう…。冒頭で三上がサラッと自分を「男やもめ」と言うのですが、グッときました(語彙力無…)。
言いたいことがたくさんありすぎて足りません。読後は辛いけど、ぜひ読んてほしい!塁がかわいい。きっと時計に棲んでる。※重いテーマではありますが、登場人物が皆生き生きとしていて、とても読みやすいです!
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