嫁入り先は坂の上の白狐
」のレビュー

嫁入り先は坂の上の白狐

鳥谷しず/笠井あゆみ

おどろおどろしいかと思いきや楽しい世界観

ネタバレ
2024年9月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初作家さんでしたので相性をみるために【読み放題】で読みました。白虎への嫁入りということで、普通の人間(でも一応、家系的には特殊な一族)が妖の世界?と婚姻という形で繋がるわけですが…妖の世界観とか、それを説明する文体が面白くて楽しく読めました。
「妖怪スクーターとか妖怪牛車とか、あれば貸して」というセリフにも笑ったけど、「それらはないが、一反木綿ならいる」は、ツボに入りました。しかも一反木綿をスマホのアプリで呼び出す(空間や存在は妖でも現代だから)とか、シュール過ぎて笑いました。
内容としては、妖の世界の嫁入りと現実世界のちょっとした事件のようなものが並行して進みます。その過程で紘彰の伯母さんの人柄や恋心にも触れますが、まぁこれが濃かったですね。思いもかけないぶっ飛んだ事実に引いてしまいました。その後も亡き人を語るとは思えない言葉のチョイスに驚きを通り越して笑ってしまいました。
現実世界の事件とも言えないような謎も、いい感じに絡んできて、全体的に上手く纏まっていたと思います。今回感触が良かったので、次は『捜査官は愛を乞う』シリーズを読んでみようと思います。
いいねしたユーザ2人
レビューをシェアしよう!