あの子の子ども
」のレビュー

あの子の子ども

蒼井まもる

それぞれの葛藤

ネタバレ
2024年9月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ きれいごとだけですまない、妊娠を巡る高校生のお話。宝と福のふたりがお互いを思いやり、どうするのか、どうしたいのか、考える過程が、現実では動揺してこんなに理想的にはいかないというくらい、理想的でした。
宝が妊娠出産は圧倒的に女性に負担がかかる、半分には出来ないと気づいて、それでも福の負担を減らそうと色々調べて、そこから逃げない姿勢に、ほんとに優しいいい子だなと思いました。
男の子側の母親の「逃げようと思えば逃げれるのに…」という本音、女の子側の父親の子どもを守ろうとする対応、それぞれの立場での思いが痛いほど伝わってきました。
なかったことにするという一番ありがち(?)な対応が現実的ですが、このお話ではその選択はしない場合の展開になっています。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!