寄越す犬、めくる夜
」のレビュー

寄越す犬、めくる夜

のばらあいこ

ドロドロだけど、読後感はスッキリ

ネタバレ
2024年9月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ とにかく読むのに体力のいる作品。
カジノでの横領、制裁、借金返済、レ○プ、クスリ、暗殺…とにかく裏社会のドロドロがこれでもかと詰まってます。
その中心になってるのが新谷、菊池、須藤の三角関係。
一途に縋ってくる菊池を愛しく思いつつも、何をしでかすか分からない須藤の事も放っておけず言われるがまま関係を持ってしまう新谷。「カワイソウ」な捨て犬&捨て猫、両方助けたいと思う優しい気持ちは良く分かるんですけど。だけど現実世界では新谷のような優しさの皮を被ったどっちつかずの二股ヤローが一番タチが悪いんですよ笑!だってあの悪夢の3Pの最中、新谷明らかに興奮しちゃってましたよね。

5巻プラス番外編まで読んで…これ以上の終わり方はないんだろうなと納得しつつも、須藤の気持ちを考えると切なくて泣けてきます。「メチャクチャにしてやりたい気もするけど」はきっと半分須藤の本心。実際新谷は須藤が弱い部分を見せたらまた気持ちが揺らぐんでしょう。何年経とうと、こういう男はそうそう変わるもんじゃない笑。でも須藤は新谷と菊池の幸せを願って身を引きます。せめてこれからは、トッキーと心穏やかに生きていって欲しいと願います。菊池も包容力のあるイイ男になってたしね。
作品としてはすっごくすっごく面白かったけど、なかなか読み返すことはできないだろうなぁ…。
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