このレビューはネタバレを含みます▼
先に一つだけ。
全ページ拝読しましたが、私がファンであることから『トワイライト・プレイラバー』の南条さんと伊織くんに関してのみ感想を書かせて頂く所存です。失礼を承知の上、綴らせて頂くことをどうかお許し下さいませ。
<<まず、時系列としては『トワイライト・プレイラバー』でふたりが結ばれ恋人同士になってから半年後、という設定。
振り返ってみると自分の感情より相手の心の柔らかいとこを傷付けぬよう必死で守り合おうとする姿は敦くん、伊織くん。ふたりとも本当によく似ていて。
切ないながらに、友情・恋情・家族愛。すべてを統合させ同時に凌駕するふたりの絆の強さを見守れて、また私は独りで勝手に感極まってしまいました。
敦くんは陽キャでうるさそうな割に、人に自分の弱味を見せることを毛嫌い恋人の前以外では仮面を被って暮らしているイメージ。
対するいおりんは、内向的に見えて実はずっと敦くんが彼らしく居られる方法だけを考えていて…。敦くんの前でだけは饒舌になったりもする頑張り屋さん。
そんなふたりが、旅行中お互いの意外な一面を知ったり本音を打ち明け合ったりなどして。ゆっくり時間をかけて、離ればなれになっていた十年の空白を埋め昇華させていく訳ですよ。泣けます。(特に攻めの【縛られたい】【本命相手】発言やキャッチボールシーンなんか特にもう…)お互いを大切に想う気持ちしか詰まっていなくて、泣くなという方が無理でした。
あと当て馬とか全く登場せず終始閉鎖された2人だけの世界で始まって終わるところも…。変わらず大好きです。
あと最後のえちシーン。全てを網羅している訳ではないが、やはり3カップルの中で敦くんといおりんのソレが一番際どくて官能的に見えてしまうのですよね、私には。
たぶん南条さんの、恋人の身体に対する執着の強さとか(前/戯の多さ・お尻舐めシーン参照)、いおりんのツンデレの反動からくる身悶えとか。あと全カップルにいえることだけど、大好きな人に身体を触られ求められていることに対する受けの悦びとか。すべて含めて楢島先生の表現力が秀逸すぎて、痺れました。新作をこういった形で読めて本当に幸せです。
一巻しか読めていませんが、『コスメティック─』の履修を決意したのと『ビターネス』のツンツン悪役ががっつり掘られて溺愛される具合に胸が疼きました。(後者は単行本になるご予定はないですかね?淡く期待したい)