火傷と爪痕
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火傷と爪痕

雨隠ギド

シリーズ2作目:めちゃくちゃ好き〜

ネタバレ
2024年9月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「青年発火点」で登場した目白の叔父さん古賀と作家先生の名島。一読しただけでは2人の想いが飲み込めず女性も出てくるしでもう掴みどころが全くなかったんだけど、それでも何度も読み返すうちに、あーなんて難儀なの〜けどいいわ〜!と身悶えてしまいました。
今作は恋に発展する前に乗り越えなければならない過去があるのでBLとしては違和感があるかも。だけど、大人の恋って好きという気持ちだけではどうにもできないことも多く一筋縄ではいかない、そんな手のかかる恋模様がうまく描かれているなと思いました。
曲者感満載で来るもの拒まずな名島もだけど、そんな彼にある種の強烈な思い入れがあるものの素直になれない不器用な古賀がまた拍車をかけて面倒臭い!面倒臭さの二乗だもの、そりゃ分かりにくいったらないわ〜。
だけどね、いつも自分が傷つかないように飄々としていた名島は真正面から向かってくる嘘偽りない古賀に一種の安心感があったと思うの。加えて名島を救おうと奮闘する古賀は救世主でもあって。だって古賀によってようやく名島自身の思いに向き合い足枷を解き前を向けるようになったから。古賀が怒りながらもずっとそばにいてくれて心強かったと思うのです。
そんな面倒臭い2人の想いが交差した時はマジで泣きそうになりました。こんな小難しい2人をちゃんと着地して下さったギド先生には感謝しかない。ありがとうございました。2人の後日譚は「青い鳥より」にて。
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