テンカウント
」のレビュー

テンカウント

宝井理人

歪みが歪みを正すような中毒性。

ネタバレ
2024年9月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ リアルに考えるとツッコミどころは多いのですが、ストーリー的にはとても面白かったです。攻めの執着というか、結構強引なところが闇のあるサディステック感で好きでした。「潔癖」の捉え方として自分以外が汚いと思うだろうという前提の中、汚いのは一体どっちなのか、汚れたいのか汚したいのか、その部分がグレーだと気付いた頃には読み進めたい気持ちが強くなっていました。自分以外の全てを拒否している中、1人だけを受け入れる、自分だけを受け入れてくれる、そんな共依存のような中に2人の幸せが作り上げられていくのが美しかったです。お互いの闇と闇・歪みと歪みがその中で2人の形になって、結局一緒に汚れたいってことに気付いていくのも見応えはありましたし、色っぽいシーンも多くて素敵でした。
いいねしたユーザ1人
レビューをシェアしよう!