COLD
」のレビュー

COLD

麻生ミツ晃/木原音瀬

feverで完全に持っていかれます

ネタバレ
2024年9月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 名作とはきいていましたが、2巻まではまあまあかな…なんてふんふん読んでいて、3巻で心がぎゅーんと持って行かれました…。ここまでは3巻で、記憶を失う前の透が現れるまでの序章だったのですね。幼い頃からの心理的虐 待とそれに由来する孤独に苛まれていた啓志が、自身が弱さ故に傷つけてしまった透を、今度こそ守ると誓い、逆に救われるのが2巻まで。3巻では記憶を取り戻した透の視点から語られるので、啓志の静かに押し殺された決意が読み手にだけ伝わるのが何とも言えません。透の暴力が本当に酷いのですが、幼い頃にきちんと守られて育っていたら、彼はあの優しい6年間の透だったのだと思うと、傷つけることしか知らない彼が本当に可哀想でもあって…。最後の最後に、去っていく啓志の背を見てぎりぎりで絞り出す透の本音が痛々しく、ここからゆっくりゆっくり距離を縮め、寄り添い合える日まで二人で重ねてゆくのであろう時間に希望を託す、祈るような思いで読了。ああ、もう何度でも読めます。
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