このレビューはネタバレを含みます▼
面白かった。引きこもりのコミュ障陰キャ受けがゲームの勇者に転生する話。シリーズ最新作の勇者に転生し、強すぎる魔王(初代勇者の闇堕ちした姿)を倒すため初代時代にタイムスリップして初代勇者の闇堕ちを阻止することになる。俺様ジャイアンな攻めは勿論受けのキャラクターもアクが強くて斬新だった。受けがガチでコミュ障。しかもアドリブが苦手すぎる指示待ち人間なので明確な言葉じゃないと伝わらない。曖昧さは許されない。コミュニケーションが全体的にモタ…モタ…て感じなので受けにイラッとしたり、臨機応変が苦手な特性の自分と重ねて胸が痛くなったりする。そんな受けだけど、全部自分で判断して思い通りに動かないと納得できないタイプの攻めと奇跡のようにピッタリ嵌る凸凹コンビになるのが面白かった。攻めは受けをこき使いまくるし、呼び方は「犬」でパシリとヤンキーみたいな関係性なのになんか上手いこと行く不思議体験。受けからしたら全部指示してくれて自分で考えなくていいし楽すぎる〜ありがてえ〜という気持ち。パシリ受けも一応勇者なのでハイスペックなんだけどそれを感じさせない三下ムーブが面白い。あと腐っても勇者な攻めが人殺しには躊躇するのに、受けは邪魔な存在は攻めに隠れてサクッと殺しちゃうタイプなのがかなり良かった。魔物もよく知らない人も同じくらい怖い存在なので抵抗がない陰キャ受け。で、アイツは俺の為なら躊躇なく人も殺せるのか…と悦に浸っちゃう攻め。後半の攻め闇堕ちの真相と攻めの執念には泣いちゃった。あんなに偉そうでツンツンだったのにいざ受けがいなくなると弱っちゃう攻めが良い。