このレビューはネタバレを含みます▼
仕事の人間関係が原因で退職しゴミ屋敷になってしまった鎌倉さん。人間関係や無職状態や部屋や環境の汚染のストレスって本当に人を無気力にさせるし、時には生きる力を奪うこともある。部屋が一旦汚くなると精神状態もどんどん悪化するし、そこから立ち上がるのはかなり困難。汚染環境での犯罪率増加は立証されてるし、テレビでよく見るゴミ屋敷の人達がなかなか改善できない根本的な問題や、そんな風に人が堕ちていかざるを得ない様が、とてもよく表されていた。
絵もきれいで静かなタッチだけどいつの間にか物語に引き込むとても力のある作家さんだと思った。
大家の叔母さんが最後まであんな感じなのもリアル。
荒井くんが赤の他人にそこまでするのが不思議だったけど、後からその理由もちゃんとある事がわかって納得。
鎌倉さんは荒井くんに救われたけど、荒井くんもまた鎌倉さんに出会って救われたんですね。
人が互いに気遣い、労り、想い合うってこういうことなんだと改めて思い知らされました。2人が幸せになって本当に良かった。ぜひたくさんの方に読んで頂きたい!癒されて自分の心も救われる、魂が救済される素晴らしい傑作です!!