あおに鳴く
」のレビュー

あおに鳴く

もうね、本当に。。😌

ネタバレ
2024年9月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ どこかに希望が落ちてないかと、コマの隅から隅を探す様に読んだ作品も久しぶりで、作者の新刊発売を機にこちらも読んでみました(ネタバレしてます)

あおに鳴くin the flow time(時の流れの中で)タイトル左に…alone in the deep. It leads to anywhere of this blue(この青いどこへでも繋がる深海でただ独り)タイトルから鴻さんは生きてというより、幽体として司郎の所に現れたのかなと…。

学があった鴻さん。ラジオから流れていた曲は昭和12年に作曲された「海ゆかば」その頃に志願。
正装のコマから海軍将校だったのかなと。乗っていた戦闘機は(胴体下が見えない構図なので不確かですが)二式水上戦闘機。その戦闘機が使われたのはアリューシャン、ソロモン、中部太平洋戦線だったと。当時の通信はモールス信号で、「あおに鳴く」と鴻、菊次郎さん、双方の気持ちだったのかな?と思ったら、菊次郎さんの人生を思いました。
鴻さんが帰ってくるのをずっと待っていた菊次郎さん。家族を作っても鴻さんだけを想っていた。そんな菊次郎さんを理解し寄り添った妻。生まれた息子(司郎の父)その父と母は…(この女性達の気持ちは、作中で出てきた幸田露伴「五重塔」と重なるのかなと)

菊次郎さんを愛していた家族は悲惨で。鴻さんが自分と似ていると言っていた叔父さんはまた、鴻を想い続ける祖父の苦しみを共有してきた人生だったかもしれず、そう思うと彼は自身の人生を生きていなくて。
そんな司郎家族を鴻さんは知って、菊次郎さんに会わないといけないと(パン屋のお婆さんだけが、鴻さんを現実には居ない人と分かっているのも良かった)

司郎が自分を呼んだと鴻さん。としたら、菊次郎は今もモールス信号を送りつづけているのかな?と。だから遺骨を持って行く必要があったのかなと思いました。菊次郎さんと再会しお別れをするシーンが、司郎との暇乞いのシーンと重なる様に描かれていた様に思います。

鴻さん、すぐに戻って来るよね、と。そしてその時、あの家は家族が集まる温かい家だったらなと…希望ですが😩 帰ってきた鴻さんがもしかしたら司郎にしか見えない形だったとしても、2人変わらず一緒に生きいく…てくれと願いました(写真 凧を司郎が持っているものに変わっていたのが良かった。沢山父親と遊んだんだろうなと…)
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