潮風メロウ
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潮風メロウ

高見乙

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ネタバレ
2024年9月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 前作から約3年でしょうか…(その間にも、他作品もお描きになられていたのかもしれませんが)。とても丁寧に構想を練られて、丁寧に丁寧に創られた作品なんだろうな…と思う、とても良い作品でした。作家様の画が可愛くて好きで、前作は割とコメディタッチがメインな作品でしたが、こちらは可愛い中にも切なくて愛おしくて、それでいて心にズシンとくる重みのある作品でした。訳あって長い間人魚でいたワタ。序盤はワタめっちゃ可愛い!愛らしい!とワタの可愛さ全開メロメロで、前作のような可愛いお話しが続くのかと思っていたら、どんどん展開が広がっていって、グッとストーリーに惹き込まれていきました。ワタがなぜ人魚なのか?家族や仲間はいないのか?等々、いろんな疑問がひとつひとつ丁寧にひもどかれていきます。そして真尋というキャラがとても良い。ストーリーの面白さも優しさも重厚さも、見事にすべてを担っている。願いだったはずの思いが呪いへと変わらないよう、海神様は真尋のような存在がワタに現れることを、ずっと願っていたように思う。人ではない姿に黄泉帰ったワタのすべてを受け入れて愛してくれる人が現れ、そして悲しみを乗り越え、きちんとした形で命が繋がり終わらせられること。ワタとたいらの想いが真尋によって成就されたのかな。200頁の中に、ほんとに綺麗に無駄なく物語が収められていて、読後いろんな感情が残る、とても秀作だと思います。感動しました。そしていい塩梅のコミカルさの匙加減もよかった。ありがとうございました。レビューを読んで迷っているそこのあなた!是非この秀作を共有いたしましょう!
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