僕は君のいいなり【単行本版】
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僕は君のいいなり【単行本版】

あがた愛

健気すぎる受けとやや屈折した所のある攻め

ネタバレ
2024年9月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 私は、先生の作品は何作か読んでいて好きなのですが、意外に好みは分かれるかも…と思います。キャラ設定が極端で、「健気受け」が好きな人は多いと思いますけど、過ぎたらどうでしょう?途中「そこまで自分を差し出したら、自我がないみたいじゃない?それって、あまりに相手本位すぎるのでは」と、思うほどでした。「嫌われるのが怖い」気持ちが大き過ぎて、自分が擦り減ってなくなるのではと心配しましたが、ここぞの場面では過去の出来事や自分の気持ち・考えを伝える事のできる心の強さと圧倒的な素直さでもって未来を切り拓くことが出来る子で良かったです。
攻めは攻めで、初期には受けに全く気がない感じの様子を受けにも読者にも見せつけてくるので、これもまた好みが分かれる要因ではないかと思いました。攻めの場合は、入りの部分から中盤にかけて嫌悪感を持ってしまう人がいるかもしれませんが、後半の展開に必要な設定なので、攻めのあれこれを決めつけて拒絶するのは一先ず止めて、最後まで読んでほしいです。続編が数冊出ていることから考えても、必ず見方が変わる何か、もしくは瞬間があるので二人を見守ってあげて下さい。よくよく考えたらまだDKですから…このくらいの身勝手さ・奔放さがあってもおかしくはないのかもしれないと、私は思いました。
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