このレビューはネタバレを含みます▼
頼長先生の単行本化されていない作品も含めて拝読しましたが、先生の「キャラクターの言動に性格や背景を載せる力」が非常に高いです。キャラクターの言動、思考に、必ず理由があるんです。そしてそれを私たちに教えてくださるので、入り込んだ状態で作品を楽しむことが出来ます。
本作は「特区」という非常に凝った設定ながらも、それを読み進めることを負担に感じさせない、そして主要キャラクターみんなを魅力的に感じさせる力に大変魅せられました。
特に薬学編は、言葉が足りなければ「何でそうなった???」となりかねない特殊な設定ですが、キャラクターたちの言動に背景があるので、読者も「うお〜〜!そこに落ち着いたかあ」と素直にハラハラと楽しめます。
キャラクターたちそのものが魅力的なことはもちろんですが、魅せ方が非常にうまく、おざなりな部分がありません。
頭を空っぽにして読めるBLも大好きですが、「いやいやそうはならんやろ!」とつい突っ込んでしまう自分にとって、これだけ深く読み込めるBLは何度でも読み返して楽しみたいのです。
もちろん、恋愛模様も濡れ場も700億点!!!!
特に、最近であった攻めキャラの中で一番好きな子になりました。いい意味で人間らしくて泥臭く普通に見えるんだけど、でも落ち着いて見るとネジが外れてる人ってめちゃくちゃ魅力的ですよね。
先生が描かれる作品は、これからどんな話が来ても楽しめるんだろうなあ、と思います。語りすぎました!でもそれぐらい好きです!