心を殺す方法
」のレビュー

心を殺す方法

カシオ

容易ではない

ネタバレ
2024年10月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ やはり簡単に心は、愛も情も殺せないよね…という読後感でした。
紙で完結まで読みました。
義兄弟、執着弟×絆され兄。親愛から形を変えていく弟の想いに、情から受け入れ、逃げ、また捕らわれて…というなかなか救いのないお話でした。
分岐点はどこだったのか…どこではっきり拒絶していれば兄弟でいられたのか。でも、弟の回想からは、出会ったことがもう運命であり、てばなせない相手だったのかな。途中兄には救いの手がありますが、それでも弟を選んでしまっているから結末は決まってしまっていたのかも。弟からは憧憬で、執着で愛で。兄は同情、愛憎と憐れみ。犠牲が生まれても、そういった互いの想いは殺せなかったんだろうなあ。共依存をラストまで体現してくれました。激重でしたが、ここまで突き抜けてるのはすきです。
絵も、さらさりとしたタッチですが、表情や体のライン等、美しいと思いました。
作者さんの明るい作品も読んでみたいな。
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