ロスタイムに餞を
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ロスタイムに餞を

ココミ

はあ〜よかった…番外含め良作 ※完結追記

ネタバレ
2024年10月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 涙なしではとても読めない、別れから復縁するまでを描く純愛ラブストーリー。
この2人の別れ方がまたありそうな話で…

ゲイの美容師である尽(つくし)はその名の通り恋人に尽くすタイプ。逆にバイの桐生(とうい)は作家仕事に没頭すると周りが見えなくなるマイペース美人。同棲して4年もすればいろんなことがなあなあになり、我慢の限界に達した尽は一緒にいる意味を見いだせず別れを決め………たはずが、フラれた桐生は依然同じ態度のまま。でも実はその傍若無人ぶりはただのポーズで、なんとか身体で繋ぎ止めようとする涙ぐましいくだりはほんとうに切実で見ていて辛くなる。
桐生は尽という安全地帯があるから安心して寄りかかっているだけで…徹頭徹尾、尽のことがだい好きなんですよ。
なのに肝心の尽にはその想いが伝わらないどころか、別れすらうやむやにしているように映り余計にこじれて悪循環。

ただ自分の思うたったひとことが欲しい尽と、最後の最後に素直になれた桐生。
桐生は言行不一致な大人たちを間近に見て育ったから、余計に言葉が選べなかったのかも。

修正甘めのエチシーンはその時の心境がエッチの仕方に現れていて、ちゃんとエロいのにもどかしかったり苦しかったりいろんな気持ちが渦巻くのでした。
これが最後と覚悟のうえで臨むエッチではアドレナリン出まくりな感じがよく表れていた。そうしてこれ以上ないほどに狂おしく愛おしく互いをむさぼり合った次の日の朝、桐生の目が覚めると隣には誰もいない…
えっヨリ戻さないの??と一瞬ドキッとさせられますが、着地するまでに一拍置いたところがちょうど良い。
お別れエッチしてすぐの勢いで「やっぱり…」ってならないのがこの2人なんだとおもいます。
※続編進行中。好きの進化系が見れるのをこっそり期待。
番外「エキシビジョン」ではなれそめエピソードと共にラブラブな2人を拝むことができますので、安心したい方は必読かと。

↑続編にも挿入されているので、修正度合いにこだわりのない方は重複ご注意。
『home and away』も良かったです!
やはり、一度破綻してからの復縁カップルは強いですね。とくにこの2人は、どちらかが強引に押し切ったわけではなくちゃんとお互いに納得してから復縁しているから。危機を経て、2人の魅力にさらに磨きがかかっていました。
親との確執にも触れる深い深い後半戦…お見事でした。
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