軍人さんと金平糖【単行本版】
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軍人さんと金平糖【単行本版】

八千代ハル/海野幸

小さく甘くキラキラした金平糖のような恋

ネタバレ
2024年10月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 明治から大正にかけて、軍人さんに見染められた遊郭の下働きの少年のお話です。売れっ妓花魁を母に持つ清は、生まれてすぐに母を亡くした後もそのまま妓楼に居続け、今は下働きをしています。美しい母に懸想していた楼主が、母によく似た清を手放さないからです。ある日、清は一人の青年将校にお酌をするように頼まれます。上役に連れて来られた羽田正嗣は花魁と遊ぶ気は無く、断る口実に通りがかった清にお酌を頼んだのですが、花魁が来てしまいます。正嗣は花魁を断るために咄嗟に清に口づけ、作戦は成功するのですが、初めてのお酒と口づけとに清の身体が思わぬ反応をしてしまいます。それに気付いた正嗣は、優しく清の欲望を解放してくれるのでした。17歳の清はその後何日もぼうっと正嗣のことばかり考えてしまいます。ところがそれを聞きつけた楼主が清に座敷で客を取るように言いつけ、水揚げは自分がすると宣言するのでした。色々と少女マンガ的な部分もありますが、コミカライズだけあって読み応えがあります。小さな金平糖に幸せを見出す健気で不憫な少年と、凛々しく颯爽とした青年将校との大正ロマンティックBLです。
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