悪い男には裏がある【特別版】
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悪い男には裏がある【特別版】

海野幸/小椋ムク

伏線の張り方・回収が秀逸で楽しめる

ネタバレ
2024年10月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ タイトルから受ける印象とだいぶ違う内容だった気がします。『悪い男には裏がある』などと断定的な物言いに、とんでもないクズ男か文字通り裏の顔を持つ(いわゆるヤク◯的な)男が出てくるお話かと思いきや…まさかのオカン攻めでした。攻めの設定は予想外でしたけど、受けは不幸体質の不憫系でこちらは大体当たっていました。この二人の設定からも分かるように、コメディ程ではないけどクスッと笑えて、真面目だけどシリアス過ぎはしない…という雰囲気のストーリーでした。
設定も良かったけれど、もっと凄かったのは「伏線の張り方」だと思います。伏線を調べると「後で述べる事のために予め仄めかしておく話のすじ」とあります。私も数多くの作家さん・作品を読んで、太い細い・濃い薄いと色々な伏線を見てきたし、分かるものも分からないものありましたけど、文字通り伏せられた(見えないように隠された)線というのは、なかなかお目にかかったことがなくて、強烈なやられた感がありました。正確には、ちゃんと仄めかされていましたし、何度か話題にも上がっていましたけどね…スルーしちゃってました。という見事な伏線が私の場合、2つありました。なので、恋愛だけのストーリーとしてはかなり楽しめたし、鮮やか過ぎる伏線回収に感動しました。立て続けに先生の作品を読んでどれも面白かったので、今後は作家さん買いの方向でいきたいと思います。
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