キス
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キス

一穂ミチ/yoco

何度かこの話から逃げ出したくなった

ネタバレ
2024年10月12日
このレビューはネタバレを含みます▼ 一穂ミチ先生初めましてこんにちはな読者です。一番有名な某シリーズは受けの性格が受け入れがたく、今のところ手にしておりません。これはなんか、冒頭の図書館に通っているどこにも居場所のない受けの様子が気になりました。この子はどんな大人になるのだろうか、攻めはこの地元のボンボンなんだろなーというぼんやりとした、一抹の興味からです。この作者さんの本は何となく好きにならないような気がしていました。そういう勘みたいなものは外さない質なので、きっとこれと続編のラブしか読むことはないでしょう。逆に言えば、きっと自分とは合わないだろうなと思い続けていたにも関わらず、購入する気になった稀有な作品です。結果的に買って良かったのかもしれません。やっぱりこの胸を抉られるしんどさは性に合いませんでした。真っ先に攻めの手術後どうなったのかまで飛び、ラストまでを薄くさらった後にようやく読了しました。こういう攻めはハッキリ言って好かないです。嫌いだと言ってしまえれば、むしろ楽になれるのですが、それはわたしの気持ちに一番近い言葉ではありません。受けが自分のことをすきになるように、たくさんの飴を用意して、2人の愛の巣まで作り、戸籍上も法律で認められた家族になったというのに、この仕打ちはBLにおける攻めとして、最低だと思います。しかも、二年ぶりに再会した受けに正直言って重かった、身軽になったとか言ってしまうタイプの攻めです。それを正直に開示してしまうのがこの攻めなのはわかりますが、受けが不憫でなりませんでした。出自が恵まれない受けはすべからく攻めに愛し抜かれて欲しいと思っているので、攻めの身勝手さに納得がいかないというか…また東京に戻ってきて、受けとより戻すつもりなら、半端な覚悟で近づいて来ないでほしいんですが、どうなる次巻…という感じです。思っていたより、ストーリーの運び方とかこの作者さんの文章の流れは好きな部類だと思ったのですが、攻めへの不満が多いです。受けには幸せになって欲しいんだ。受けこそ、攻めからの呪縛から解き放たれて別の人見つけたって良いと思った。大人になった苑は何にだってなれるんだから。
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