ラブ キス(2)
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ラブ キス(2)

一穂ミチ/yoco

蛇足かな続編なしのほうが綺麗に終われた

ネタバレ
2024年10月13日
このレビューはネタバレを含みます▼ やっぱり続編て大抵蛇足だな、と。前の巻で書ききれなかったことって、そこはもう読者にその後を委ねてもいい範疇だと思うんですけど、どうしても書きたくなったんでしょうか。2年後に続編が刊行されています。読者の「これの続きないんですか?!」は元々甘々、ラブラブ系のお話書いてる作家さんだけが真に受けて良い言葉だと思います。前作は、2年も離れていたのに、やっぱりお互いのこと忘れられなくてでも元には戻れないとお互いにわかりきっているのに、それでもどうしようもない2人、というところで苑が東京に帰っていくところで終わっています。その後、なんだかんだ2人は一緒にご飯食べたりして、友達以上恋人未満な生活を続けていました。なんか、そうなんだろうな〜と思っていた通りのことが綴られていて、個人的には前作で感じたこの先生が本来持っている読ませる文章力があまり生きていないと思いました。(あまり興味のわかない)日常が続きます。そんな中、昔の自分を思わせる少年と出会います。この辺は2人の関係に決着つけるのに重要なキーなので、これだけ力いれて書いて下されば良かったんですけど。最後にまたかなこちゃんの昔の男とか出てきて、攻めが怪我をして、攻めの大切さに気づく…みたいな展開は完全にいらなかったでしょ。前回の焼き直しです。やっぱり俺ともう一度家族になろうっていう。もう一度、苑が雑賀姓になる絶対的な描写をしたかったんだろうか?個人的にはそこに対する拘りそんなにないと思うんだけどな。読み終わる頃には、攻めに振り回されたという気持ちでいっぱいです。攻めだけが悪いわけじゃないのはわかりますけど…そんな攻めにめちゃくちゃ態度悪くなってましたね、受け。どんどん自分の気持ち出すようになって、人間らしくなっていました。腐れ縁の恋人感でてました。受けが決めるのを待ってたと言いますけど、そもそも先に受けへの気持ち失くしたのは攻めなんだから、攻めはもっと受けにまた信頼してもらえるように頑張るべきなんじゃないの?という気持ち。なんで攻めからお前は逃げてばっかりだみたいなこと言われないといけないの?付き合うのも、告白も恋人も養子縁組したのも、突き詰めれば全部攻めが勝手に始めた物語なんだよ???攻めが受けのこと責めるような発言はなんか違うと思うんだけど。続編は私にとってなくて良いものでした。
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