「君を愛していくつもりだ」と言った夫には、他に愛する人がいる。
」のレビュー

「君を愛していくつもりだ」と言った夫には、他に愛する人がいる。

夏八木アオ/緋いろ

読むのが疲れました

2024年10月15日
ちょっと思ってたのと違った。ノアがおおらかで人が良いけど無神経、とは違う感じだった。ほんとはあんなに自信もなく劣等感だらけで、人からあれこれ指摘されて考えたら考え過ぎて頭でっかちになる人だったとは。なんかアレコレダメ出しされて可哀想な気もするけど。公爵家嫡男だから当然とはいえ実はプライドも相当高かったし。イリスは王太子の元婚約者で完璧な淑女の矜持を保とうとする苛烈な人はこの状況ではこうなるのだろうな、と納得。育ってきた環境も性格も全然違う二人が、言い合ったりギクシャクしたりしながら、徐々にお互いを理解し夫婦になっていく。二人ともわりと自分の事がわかっていなくて、自分は何でこんな事を言ったのか、 こんな事を思っていたのか、考え方が間違っていた、上手く伝えられなかった、など、どんどん内側を掘り下げて考えていくのでスルスル読んで行くわけにいかず、頭をつかいました。
〈追記〉共感できなかったのではありません。むしろ気持ちとは違う言葉や行動をとってしまって内省する登場人物たちをそれぞれに追ってしまい、どうすればよかったのか、次はどうすればよいのかと一緒に考えてしまい疲れたというか…。作者さんは真摯さ故なのでしょうが逐一文章にされるので、キャラが見ない方が良かったアレコレをを次々と暴いて向き合わせていくので、それに付き合っていったら思いのほか体力がいったというか、そんなに理詰めで正攻法ですすめなくてもいいんじゃないかなー、と。このまま核の部分は変わらず書いてかいかれて、もう少しこなれていった作品が読みたいかな。自分はノアは表紙の絵よりも、領地のトラブルの現場に自ら赴く次期公爵様で気の良さそうなもう少し体ががっしりとした短髪の青年を思い浮かべてました。
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