囀る鳥は羽ばたかない
」のレビュー

囀る鳥は羽ばたかない

ヨネダコウ

ついに百目鬼が…

ネタバレ
2024年10月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 今までレビュー書いてなかったけど9巻で感極まって書いてしまいました。一度袂を分かってから以前のような熱い眼差しを封印してきた百目鬼が、井波の話を聞いた帰り、込み上げる歓喜をひとり静かに噛み締めるシーンが、しみじみと感慨深い!焦がれて憎んで怒りで武装してそうっと近づいた百目鬼、矢代への思いをうちに秘めて必死で隠している。一方矢代は自分の感情に説明がつかず、百目鬼の本心も知らず戸惑い快楽に流されている。矢代は自分を大切にはしない人だけど身内や弱者には優しい人。不遇な生い立ちのせいで感情が麻痺していて愛を知らない矢代が、愛しい気持ちを認めて受け入れるところがもう少しで見られるのでしょうか。これから流石にデレてラブラブな展開はあり得ないと思いますが、お互いの本心を知り、歩み寄り寄り添い合う展開をやっぱり期待してしまう。
あと、ヨネダ先生は人物の書き分けが素晴らしい!これだけ複雑なのにちゃんと見分けがつきます。ヤクザの抗争やシノギ、裏社会の設定もすごくよく考えられていて、それだけでも読み応えあり。
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