生きることは死に近づくこと





2014年7月26日
基本的に1話完結ですが、三原ミツカズ先生の作品は全部読み終わったあと、また読み返すと更に深く考えるものがある物語が多いと思います。死化粧師もしかり。肉親の死というのは耐えがたいものがあり、私は死に顔を見るのが嫌で葬儀中も泣かない人間ですが「生きている人と故人のためにあるのが葬式」だと教えてくれた作品中のキャラクターに感謝します。心十郎のキャラクターには賛否があるとは思いますが、離れるのが怖くて、大切なものには触れられないという気持ちに共感します。彼の心の奥底にあるものまで読み取ると、アズキが愛される理由や女ぐせの悪い理由も理解できるので、じっくりとキャラクターに寄り添いながら読み進めていくと、感動しますよ。エンバーマーの重要性を訴える社会的内容が含まれているので、漫画の世界観から現実に引き戻されることもあって、娯楽として読むより人生の糧に…という気持ちで読むといいかもしれません。

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