財界貴公子と身代わりシンデレラ
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財界貴公子と身代わりシンデレラ

栢野すばる/八千代ハル

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ネタバレ
2024年10月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ ヒロインの幼少期からの苛烈な運命が辛くて……そんな中、養女になった親戚の義姉だけがヒロインを様々な悪意から守ってくれていた。そんな義姉が重い病になり、その看病に勤しむヒロイン。義理の姉の幸せこそが自分の事よりなにより優先されるべき事とふたりの間には確かな絆がある。義姉には婚約者がいて大会社の御曹司。彼こそがヒロインの運命の相手だった。昭和50年代でパソコンもスマホも無い時代のお話だけに、現代に比べて不便さもあるが、その分、会話や電話等工夫し生きていたなと実感も沸く。義姉が義妹ヒロインの幸せを願い、ヒーローに託してくれ、ヒーローもヒロインに惹かれていく。幸せを手にする直前に引き取られた叔母の悪行が露呈する。本当にこの叔母のヒロインへの仕打ちは反吐が出る。実の娘の義姉からしても蔑まれる様な、ここまで腐りきれる人間にとことんいじめ抜かれたヒロインの哀しみと辛さは筆舌にしがたい。叔父も全くもって腑甲斐無い。でもヒーローだけは全身全霊でヒロインを愛し、実家のやり方に憤怒し出奔してまでもヒロインに寄り添います。ヒーローの母、弟も本当にステキ。令和の今、主人公のふたりは孫たちに囲まれているんだろうなとふとよぎった位、没頭したお話でした。
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