ファーストエッグ
」のレビュー

ファーストエッグ

谷崎泉/麻生海

人間、そんなに器用にできてないんだ

ネタバレ
2024年10月24日
このレビューはネタバレを含みます▼ 書き下ろしが過去のお話なので、時系列ではなく、もしかしたら混乱する人もいるかもしれません。それでも頑張って4巻通して読むと、とても面白いです。2日くらい前に読み終わってたんですけど、あまりにも放心状態になり、感想かけませんでした。それほどに、自分の中に残像が残ってしばらくそこから離れられなくなるような深い味わいのある作品です。何を書いても重大なネタバレに繋がりそうなので、佐竹と高御堂さんのお話でも…結局、高御堂さんのお父さんのお話は詳しいこと出てきませんでした。もしかしたら、いつか佐竹には何か話してくれるかもしれないし、高御堂さんが墓まで持っていくつもりかもしれません。それでも、この2人は一生一緒にいることになると思う。佐竹を捨てることなんて考えられなくなっている高御堂さんに胸が引き絞られるような、切なさ、これからいつか直面するであろう2人の問題を思うと、やっぱり辛くなってしまうのでした。もうこの作品の時点で高御堂さんは40前後と書いてありますからね。佐竹が普段あんなに憎らしくて、態度も悪いのに、えっちする時、高御堂さんの顔中にキスする描写とかめちゃくちゃすきですね。高御堂さんの傷跡にキスする佐竹すきです。なんかネコみたい。お互いに好きだとか愛してるだとか言わないし、そのスゴい前の段階でお互いをそういう意味で求め合っていることを認められないでいる2人が、段々とどうしようもなく離れられなくなっていくのが丁寧に描かれています。時々、市場さんのことを思い出す佐竹ですが、それでも別れられないのはやっぱり愛だと思いますね。情なんかない、と言い切っていた高御堂さんの「ここにいろ」「ここじゃ厭か」は痺れます。珍しく佐竹の隣で寝て朝までそばにいるのも。。レビュー少ないんだが、とても素晴らしい作品です。しばらくは谷崎先生の本読もうと思います。先生の作った番外編同人誌もキ‥ドルでご覧いただけますので、みんな読んで欲しい。
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