毒を喰らわば皿まで
」のレビュー

毒を喰らわば皿まで

十河/斎賀時人

設定は密なのに心理描写は皆無

2024年10月28日
復讐劇は素直に面白いし夢中になれる展開ではありました。だけど、そこかしこに「なんで?」となるツッコミを入れたくなるのも事実。心理描写が薄過ぎる事が原因なので、そこをもっと綿密にして貰えればもっと面白かったのでしょうね。前世を思い出しただけで娘を溺愛するようになる意味も分からないし、騎士団長を犬にしてる意味も分からない。やたらと含みのある言い回しをしてるだけ。なにより、めちゃくちゃ期待させといて千年後に王国滅亡とか、いやそんなの普通のことだろって感じです。みんな死んでて生まれ変わった主人公が竜と飛び立ったところで何の復讐になるのか…。あとは女の方にばかり復讐してるけど一番ゲスなのは王太子です。女は浮気されると浮気相手の女の方を責める傾向がありますがそれが顕著で、私は浮気した男を責める派なのでその辺はあまり楽しめなかったですね。物語が進むにつれ、最初の頃の悪役っぷりもなく、ほぼ良い人になってるのも違和感ありありでした。
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