好きの音色は聴かないで
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好きの音色は聴かないで

露久ふみ

徐々に縮まる二人の距離

ネタバレ
2024年10月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者さん買いで積ん読から。本編は全5話+描き下ろしで合計183ページ、番外編は表紙等全て込みで15ページ。天才ピアニストの武に、幼い頃からずっと憧れてきた音大生の悠希が、自分の恋心を自覚して、二人の関係が少しずつ変わっていくストーリーです。子供の頃から家族ぐるみの付き合いで、そんな関係を利用して武の近くにいることができるということに罪悪感を感じつつも、好きな気持ちがどんどん積もってしまった悠希。昔から知ってるから優しくしてくれているだけ?少し近づくことができて、もう少し期待していいの?そんな悠希のジェットコースターのような感情のアップダウンがとても丁寧に描かれていたと思います。というか武さんは確信犯ですよね笑?悠希のおねだりは断れないからと、悠希には甘いんですが、優しいのがデフォルトではなく悠希にだけというのがみそです!はからずの同衾も、分かってての「おいで」だったらすごい!悠希と一緒に私もギャンとなりました。実は一回目読んだ時は既刊に比べて結構あっさりめだなーという印象だったんですが、時間を置いて読み返してみるとより良さがわかるというか。読めば読むほどはまる作品でした。ちなみに番外編は誕生日&バレンタインのお話。意外と嫉妬深い武さんがますます好きになりました。あと武さんがピアノを弾く時に腕に浮かぶ筋にも注目です。
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