魔王と勇者の戦いの裏で
」のレビュー

魔王と勇者の戦いの裏で

涼樹悠樹/山椒魚

web版からの加筆が多め

2024年11月1日
以下は、web版をご存知で購入を悩んでいる方に向けてのレビューです。
web版からキャラが増えており、そのうちの一人がガッツリ一巻からメインに絡んでることもあってweb版からかなりエピソードが追加されています。追加されたキャラは女性で、初見だとヒロインだと思われそうな立ち位置にいますが、ヒロインはwebと同じキャラなので(5巻で確定)、webの主人公カプがお好きorヒロイン以外眼中に無い主人公のブレなさがお好きな方でも今のところは安心して読めます(横恋慕系のキャラが出てくる可能性はあり)。ただ、web版で賛否両論わかれてる蘊蓄についてはパワーアップしてて、数ページにわたっての蛇足とかあったりするので、その点は残念。また、イラストもちょっと人を選ぶというか、あまりお上手ではない上に作風にミスマッチなので、そこもかなりマイナス。しかしそれらを差し引いても文句なしで面白く、加筆で増えたエピソード自体は(今後の展開を知っていれば納得の)全く無駄じゃない布石で、web版を最新話まで読んでると、なるほどねー!ってなるような加筆ばかりです。また、webのほうで当初起きてて今でも何故か根強く主張する人がいるヒロイン論争のせいなのか、主人公とヒロインの絡み&聖女様と勇者の絆ついて強調するエピソードが増えていました。メインキャラが増えて追加されたシーンもそうですが、書籍の加筆はweb版で浅掘りだった展開の補強や、より納得のいくストーリーにする側面が強く、更に壮大な話になっていたので、web版を一度読んだことがある人でも、本作をお好きな方なら確実に楽しめるつくりになっています。増えたキャラたちのおかげで、web版でポッと出てきてサラッと流された敵役たちや大事なシーンについて、書籍では序盤から伏線はられてるなあって分かるのが本当に楽しい。だから初見の人よりもweb版読んでる人の方が楽しめるかもしれませんね。オススメです。
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