このレビューはネタバレを含みます▼
一回読むだけではわかりづらいが、深い三角関係のお話です。
主人公は妹を愛してたし、妹は婚約者を愛してたし、婚約者は最初から一貫して主人公を気にかけている、という三角関係。
婚約者はなかなか罪深い男ですが、主人公への関わりが積極的になってからは人が変わっていき、少女マンガ好きとしてはその様子は憎めなくかわいいです。
妹はかわいくて親からもそこそこ大事にされ卑屈な面が少なく姉よりも恵まれて育ったのが明白ですが、恋愛面と短命なことが圧倒的に不憫です。だからこそ幼い性格がきわだち、それゆえの牙(呪い)を姉にかけてる。
でも妹が長生きしたとしても、あの婚約者と結婚できたとしても、小さな違和感が積み重なった婚約者が壊れてしまうこと想像できます。あのロボットのような彼を愛してしまった妹が不憫なのは仕方ないのかもしれません。
主人公と婚約者の2人が、2人をよく知る妹から見てお似合いと思うのであれば、これからも本当にうまくやっていく2人(主人公と婚約者)なのでしょう。実際に婚約者は主人公を好きになってから、以前の自分に戻れなくなってしまうほどです。運命だったのでしょう。
また婚約者は本当に妹に興味がなかったのでしょう。でも心の内はどうであれ礼儀正しい人であり、そのため妹とのお付き合いも卒なくこなしてたんだろうなぁというのが番外編やらでわかります。妹が亡くなり、主人公と本能で向き合って、初めて妹への後ろめたさ罪悪感を人並みに感じる。妹の姉にかけた呪いはじわじわと婚約者にも襲いかかります。
考察に考察ですが、婚約者は本当に罪深い男です。主人公が彼といたいと決意したのも、婚約者は人生の中で一等に誠心誠意で接してたのだろうと思います。(実際ポーカーフェイスなだけで夏祭りや同棲の提案はすごく嬉しかったのだと思います。)
確定描写はないけど、毎週会ってたし、連絡も毎日してたのではないでしょうか。主人公が絆されてもしょうがないレベルだったのだと思います。