愛しのアンダードッグ【シーモア限定特典マンガ付き】
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愛しのアンダードッグ【シーモア限定特典マンガ付き】

みよしあやと

光属性のワンコに当てられた男が2人…

ネタバレ
2024年11月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 初読では、仕込み屋の攻め忍に、仕込んで欲しいと頼む高校生仁が、そもそも何故、家庭教師正平に、酷い扱いを受けていることに気付かないんだろ、それにそもそも、何故、仁がそんな酷い目に遭うのかピンと来なくて、物語に入り込めなかったんです。が、某レビューサイトで、みよし先生が、実はあのカテキョー、同級生である仁の兄(ヘテロ)に片思いをしてて、それを告げられないまま、自分が誘ってきたらのってきた弟で、その鬱憤をはらしていたという裏設定があったと知って読み返すと、「光属性の高校生ワンコの光に当てられて、沈む男と、輝く男の対比の物語なんだ…」と一筋の光が輝いて。物語の解像度がグンと上がったんです。

そうして読んでみても最低のクズなんだけど、カテキョーの抱える鬱屈した闇が存外深いなと。恋情を抱く相手が、セクシュアリティーの違いで振り向いてくれない悩みを抱える中、似た顔をした弟を落とすことでその鬱憤を晴らそうとして、セ フレ扱いのつもりで、ちょっかいかけたのに、愛情表現をして尻尾を振ってくるワンコを見て、余計に罪悪感にかられて、もっと酷くしても傷つかないワンコを見て、自分の下劣さになおさら傷ついちゃうカテキョー…。あれ、なんかちょっと可哀そうになってきたぞwww。そうか、ワンコの光は人の闇を暴くこともあれば、本作の攻め、忍の場合、表面的には仕込み屋、風俗、裏稼業という社会のクズのようでいて内面に抱えている純粋さを引き出すこともあるんだな、と気付かされました。

最初は硬派そうに見えた仁の抱える優秀な兄と比較されて生まれた自己肯定感の低さが、仁によって引き出された忍の純愛と純粋さとで、上書きされていく光景は、見ていてホントに清々しい!池袋人口100人説とか、セリフ使いも印象的!できれば、池袋を舞台にした、同じ世界線のスピンオフを見たいな…クズのカテキョーの更生物語か、忍の仲間のハリーさんが、純愛に落ちる話を是非👑
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