かろりのつやごと
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かろりのつやごと

小田ゆうあ

うーん…。。。。

ネタバレ
2024年11月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 2巻無料だったので読んだところ、面白くて既刊13 巻すべて購入しました。
主人公かろりさんはとっても素敵な女性で、見習いたいとも思います。お話も面白いのですが…根底にある『昭和な価値観』に違和感を覚えます。
具体的には、青井君の実家に行った際に、母&かろりさんが台所仕事をしている間、父と青井君は手伝いもしないで晩酌している姿です。思わず「いや、お前も働け」とツッコミしてしまいました。彼女を実家に連れて行った上に自分の母親と一緒に家事させて自分はのんびりくつろぐという神経、妻が料理をして机に配膳するのを夫はくつろいで待つのが前提な食卓、というのがまさに昭和だなぁ、と。そして、そこに異論を唱えるでもなく受け容れた上で、率先して働き、尚且つ気を配るかろりさんを、これまた好印象で受け止める家族達…あげくに「いいお嫁さんになる」という評価…。
また、かろりさんはスペックが高いのに、能力を買われてやる仕事が大学教授の秘書…というのも残念です。いや、秘書が大事な仕事だということは、もちろん分かっていますよ。ただ、教授は、かろりさんの英訳…とりわけ彼女の日本語の表現力を気に入っているのなら、英訳の仕事を振ってそれが評価される、等、もっとわかりやすくかろりさんが評価される表現の仕方はあると思うんです。そこを、彼女個人の力がより際立つ仕事ではなく、「誰かのサポート役」で終わらせるところにがっかりしてしまいました。
最初は楽しく読めていたのですが、良妻賢母を良しとするような、古き良き日本の価値観が根底にあるような気がして、私はあまり楽しめなくなってしまいました。
ただ、かろりさんというキャラクターはとても好きです。礼儀正しく品があって、思いやりに溢れる素敵な女性だとも思います。読んでいて心が洗われるので、こういった古い価値観の描写を気にせず流して読める方にはオススメです!
価値観や感覚に違和感はありますが、それはまぁ、人それぞれなので…。漫画ですしね…。思うところはありますが、私には合わなかった、という話だけですし、かろりさんのキャラクターや話の構成は素晴らしいと思いますので、作品の評価としては星5です。
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