惑星
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惑星

木原音瀬

あぁ〜

ネタバレ
2024年11月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ いわゆる障がいを持って生まれたとおもわれる。ムラは。ムラは自分ができること、父親教えられたことを守って淡々と生きる。楽しいことだけ考えて生きたい。ご飯食べて屋根のあるところで寝たい。とてもシンプルな望み。父親と母親が自分の星へ帰ったから、いつか迎えに来てくれると思って。流転するように現場を渡り歩いていくのかな。カンさんとの奇妙な共同生活の中で。カンさんがこぼす言葉がどきりとする時がある。カンさんが言った、ペットとの関係性。それって、ムラとカンさんとの関係にも言えないだろうか。いや、全ての人間関係に…。意思が通じているというのは幻想なのか。それを幻想にしないために何をするのか、しないのか。ジブンの星でないからわからない。そこから一歩踏み出すことができたなら。孤独ではなくなるのか…。カンさんはムラの手を離してしまった。それで良かったのだろうか。自分の幻想を大切にしたかったのかもしれない。カンさんの惑星はムラの惑星に近づくのか。電気たくさん作るところへ行ってしまうムラに会える日はくるんだろうか。どう物語が進むのか全く予測できず、次へ次へと読み進めてしまうのはさすがの木原ワールド健在。やっぱ凄かった。
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