このレビューはネタバレを含みます▼
優しい雰囲気の社会派幼馴染BL、素晴らしかったです。
「相手が同性ってだけで逃げたくさせるようなこの社会がクソなだけやん」これに尽きます。
「ホントにいるんだねぇああいう人達って」と差別する子たちの想像力と思いやりのなさには怒りさえ感じました。そもそも差別は当事者以外に問題があるのであって、本人達が隠れて生きる必要なんてないのに…。
でも、恋人の性別を問わない母親や応援してくれるゆかりんがいる礼央くんと、手がかからないなんて言われて異性愛を前提にした人間関係の中で育ってきたしーちゃんとではヘイトへの耐性が異なりますよね。
ゆかりんの主張は正しいんだけど、傷の深さも人によるし、一つの傷だってつけられて良いものじゃない。
やっぱり何も悪くないただ恋愛してるだけで傷つけてきたり逃げさせたりするこの差別主義社会が悪い!でしかないです。
忠さんと恋人さんは二人で逃げてきたってことなのかな?病状はわからないけど、自治体や病院によって変わる対応ではなく、当然一緒に過ごせる法的な権利が得られる未来になって欲しいと切に願います。
しーちゃんのような子供たちが宝箱に蓋をしなくていい、自分の宝箱は大切にできる、する権利があるってことを大人社会が態度で見せていかないと、と気合いが入る作品でした。
三田先生の「すべての人が宝箱を捨てなくていい世界になるよう願います」に、一BLを愛する者として心から同意します。