いつか死ぬなら絵を売ってから
」のレビュー

いつか死ぬなら絵を売ってから

ぱらり

違う視点で絵の世界を覗ける漫画

ネタバレ
2024年11月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 電子コミック大賞の投票作品にあったので何の気なしに読んでみたら、あれよあれよと引き込まれました。絵を描く漫画はよくありますが絵を売る漫画はなかったなぁと。市場の仕組みやアーティストの売り出し方など違う視点で絵の世界を覗ける新鮮な作品です。


主人公の描く絵はハッキリ言うと地味で華がなく、何故透はこの絵に惹かれたのか私にはよく分かりません。ですが素人には価値の分からない絵なんてよくありますね。夜景を前にして窓の虫を描いたと言った時の透の意味深な笑顔は「こいつ伸びるな」みたいなものなんでしょうね。そこで夜景でなく虫を描くような人物だから透は惹かれたのかも。この虫は主人公のメタファーでもありますね。


主人公が歯に衣着せぬ本音でぶつかっていくのが気持ちよく、読み切りの「あざにおしろい」も後半でそうなり本当の意味で打ち解けるのがほっこりしました。
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