100年の経
」のレビュー

100年の経

赤井千歳

AIが究極に進化した未来(追記あり)

ネタバレ
2024年11月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作家を目指していた菅井は、余命一年と宣告され、コールドスリープの臨床実験を受ける。100年後に目覚めた世界は、AIが人類にとってなくてはならなものとなっていた――。

1巻まで読了。かなり本格的なSF作品。
主人公は愛する人に何も伝えないまま100年の眠りについてしまうのですが、目覚めたあと彼がとった行動と決意……それにAIと文学がからんできて、目が離せない面白さ。
文学について語られているシーンが鋭く深い。SFならではの視点で、本好きならさらに楽しめると思います。
SF的視点だけではなく、きちんと人間を描いているところがいいなと思いました。

100年後に目覚めた世界で、彼はこれから何を見て、どんな物語を紡ぐのか――次巻がとても楽しみです

【2025.12.4追記・以下ネタバレ有り】
4巻読了。完結
今までどんなにAIが進化しても、生成AIに人を感動させるようなマンガは絶対作れないと思っていた
だけど最近ネットで話題のナントカバナナのせいで、ちょっと認識が変わってきた

人類が創作したすべての作品を学習させ、究極に進化させたら…もしかしたら作れちゃうかもよ??
と。
そんなことを最近思うようになってからの4巻。作者様がどのような結末を描くのか、とても興味深く拝読しました

綺麗に終わらせているな、と思いました
だけど、拙くても人間が描いた作品のほうが血が通ってて良い…という話なら、そもそもタレットの存在意義って何だったの?と、私はかなりモヤっとしました。
ラブストーリーとして読んでもなんだか微妙で、あらすじもほぼ予想通りの展開……うーん。でもクライマックスの演出や作画はとても綺麗で素敵でした

物を書きたい、読んでもらいたい――人間のその欲望は何百年経っても変わらないと思う。ならばピュアライターはそもそも絶滅しないんじゃないかな
人間の情念と欲望。それは未来永劫、AIは学べないんじゃないかな……

そんなことを読後いろいろ考えさせられる、現代社会に一石を投じるSFの佳作でした
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