正反対な君と僕
」のレビュー

正反対な君と僕

阿賀沢紅茶

格段に絵も読みやすさも全てのレベルが上昇

ネタバレ
2024年11月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ いや〜良かった。前作から話作りやキャラの絡ませ方とかもともと凄く上手だったけど。ゴチャゴチャしてたり人物の書き分けとか気になるところがあったので。絵も話の広げ方、回収もより上手になってる。高校生の悩みや楽しさ全部表現してる。相変わらず楽しい絵で描き込み多いところと、大きくコマとって表情を魅せたり1ページ使って人物と風景をいれたり。キャラが心情を独白する部分も多く前のページで考えていた事を次のページでを否定して思いを強調したり。1話の中でも構成が上手い。いい編集者やアシスタントがついたのかと思った。絵や作風の個性はそのままに読者に読ませることを考えたスキルアップしてる。あんなに登場人物いても書き分けできてるし。どのキャラもカップリングもみんないい。みんな自分の中で筋通してる。東が遅れて登場したときに、このタイプのキャラは平といい感じになるのではとすぐに思ったので、二人が絡んでいく展開にキター!となった。どんどん東が年相応にかわいくなって、平もグルグル考えながらも少しずつ呼吸がしやすくなっていく感じがわかって、この二人が一番どうなるか読みたいカップル。ま、高校生のうちはこのまま気になる関係のままで進展あるとしたら大学生になってからだろうなー。それもいい。それにしても主人公にした鈴木のキャラはよくできてる。こんな子クラスに居たら楽しい学校生活になる。絶対幸せになる。鈴木と谷は安定だし、山田と西さんは彼女がいきなり大胆になる方だとかニヨニヨする。平が高校生の劣等感とか疎外感や卑屈さを背負ったキャラだったけど、共感する読者が多いのは彼ではないだろうか。読者の願望や妄想を受け変にこっ恥ずかしく恋愛要素を進めず、このキャラはこう思ってこう行動するだろう、というのが自然で違和感なく行き渡っていてよい。悩みはあっても他を害することなく、陽キャグループでも繊細だったりきちんと勉強する面も描かれていて、健全で幸せなスクールデイズが眩しい。
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