毒を喰らわば皿まで
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毒を喰らわば皿まで

十河/斎賀時人

一巻がとても勿体なくて(涙)

ネタバレ
2024年11月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 悪役の主人公が前世を思い出した後、特に改心する訳ではなく、自身と娘を守ってしかも復讐するというストーリーは大筋、面白かったです!
BLで邪険にされがちな女性キャラが際立っているのも良かったです。
ただ惜しむらくは、計算づくの主人公をして、なぜあの元ヒロインが王妃になる必要があったのかが全くわかりません。 そもそも元ヒロインのナーシャもその妹も端から品性がよろしくなく、平和ボケした貴族のお坊ちゃんたちが『新鮮み』で好きになるまでは、まぁ100歩譲っていいとしても、主人公やジュリエッタを害した時点で、妹も元ヒロインも退場させた方がよかったのでは?
あるいは、王弟ボージェフを三下にするのではなく、主人公の悪性を知りつつ第三勢力の利害関係者にした方が良かった気がします。
そもそも元ヒロインは、婚約者で身分も平民なのに王太子や宰相の印章を勝手に使用した時点で重罪人ですよね? しかもまだ婚約者なんだから、王太子の瑕疵にはなっても廃嫡まではいかないと思うんだよなぁ…

王妃にもならず、犯罪奴隷として消えてくれた方がスッキリしました
ジュリエッタが古代竜カリスを解放して、庇護を受けるだけでも王太子もとい国王には相当な恐怖でしかないでしょう
品性の欠片もない、常識まで欠落した元ヒロインのせいで、せっかくのジュリエッタが解放される儀式シーンが白けてしまいました(涙)
とてもいいシーンだと思うのですが…

それから、元ヒロインが獣人の子供を生むシーンもいらないかな
自分が子持ちなので、むしろ不快感しかなかったです
これは善悪ではなく、生理的な問題

精神は病んだかもしれませんが、王妃という生活に困らない立場でぬくぬく生きていけるっていのはザマァではないし、復讐でもないかなぁ
とにかく元ヒロインの自分勝手さとか下品さが、すごく嫌いでした

2巻以降、他国のキャラも出てきて、大変よかったです
個人的には3巻でエイミーちゃんが幸せになれそうなのと、愛するマラキアの為に手を汚したリュトラ、そのリュトラを救う為に身を挺したマラキアの関係性の変化が本当に好き
カプでは、主人公よりリュトマラの方が読んでて楽しいです(*^^*)

惜しいところもありましたが、面白いので2巻以降がお勧めです
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