囀る鳥は羽ばたかない
」のレビュー

囀る鳥は羽ばたかない

ヨネダコウ

読み始めたのは2024年10月

ネタバレ
2024年11月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ この感情を、どんな言葉で表現すればいいのだろう…。語彙のなさに、撃沈する。今まで読んだことのない、どちらかと言えば苦手な、ハードボイルド。それが何故、レビューを書くまでになったのか。それは矢代と百目鬼、2人の関係性に他ならない。最初は矢代に惹かれた。まあ、そうなる様に話は出来ている(色気にもやられたが笑)。次に百目鬼に注目する。何とも一途で無謀な、猪突猛進ぶり。その2人が惹かれ合う………え……まて、惹かれ合ってる…か?……何ともここで、分かりやすい感情のふれ合いしか読んでこなかった自分に、直面する。く、悔しい…自分には理解出来ない感情のやり取りなのか。今まで読んできたのは、キャラが感情を言葉にしていた。でもどうだ、囀るのキャラは皆、言葉では無く表情で背中で、語る。その中でも群を抜いて、矢代と百目鬼は言葉にしない。でもその表情で、態度で、語るのだ。それを読み取れない自分が、不甲斐なかった。一時は忌避しかけるまでに。アニメ化されたと知り、そちらの世界も覗いてみた。動き、声、音楽、曲、それらを見聞きした瞬間、まさに目の前が開ける経験をする。ああ、なるほど。2人は言葉にして、壊れる事を恐れている……。こんな自身でも、認めてほしいと求め合っている。改めて読み返したくなる。これがドツボにハマるという事か。もうここまで来たら見守るしかない。だけれども、どうしても、この感情を表現出来る語彙を持たない。興味を持たれたなら、先ずは囀る世界に飛び込んでみてほしい。自分の中にどんな感情が生まれるか、試してみるのも一興だ
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