愛を食べて生きている 【電子限定特典付き】
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愛を食べて生きている 【電子限定特典付き】

芽玖いろは

愛を食べて生きるのは誰?

ネタバレ
2024年12月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者さん買いで積ん読から。上巻は1~6話+描き下ろしで220ページ、下巻は7~10話+スピンオフ2話+本編の描き下ろしで合計212ページ。性/交渉による種の存続が旧式となった近未来。試験管で生まれた胎児の死亡率上昇を懸念して、旧式への可能性に希望を見出だす工学研究員カナメのもとに、旧式習得のためにセッ/クスワーカーのイオリが派遣されて…というお話。コロナ禍に、人と人の繋がりの大切さを再認識した方がたくさんいたと思います。本作は近未来のお話で現実ではないんですが、なんとなくコロナ禍の当時の状況とリンクして、とても現実味がありました。子供は替えが効かないもの。愛情をかけて育てる気持ちを持つことでこれから生まれてくる赤ちゃんの生存率を上げたい、成果を上げたい一心でパートナーを変更したけど、パートナーも替えが効くものじゃなかったんですよね。愛を食べて生きていくのは生まれたばかりの赤ちゃんだけじゃなくて、パートナーや自分の周りの人たちも同じ。実は簡単で当たり前なことなんですが、改めて実感させられました。イオリが育った施設は悲惨で、洗脳と虐/待ばかりの現状にとても胸が痛みました。所長の行為や考え方はとても許せるものではなかったですが、最後所長が完全な悪人じゃなくて良かったです。同録の短編2話は、本編イオリの旧友で同じ施設で育ったリセのお話。ストーリーの重さと軽さのバランスがとても良かったです。そしてマナがおじいちゃんビジュじゃなくて良かったです笑。
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