拝啓「氷の騎士とはずれ姫」だったわたしたちへ
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拝啓「氷の騎士とはずれ姫」だったわたしたちへ

由姫ゆきこ/八色鈴

これって大団円なのか…?

ネタバレ
2024年12月9日
このレビューはネタバレを含みます▼ オスカーがあまりにも酷すぎました。後半でリデルと思いが通じ合っても、お釣りが出るくらいにはまだオスカーの落ち度の方が勝っていると思います。

リデルを12年も思い続けるほど愛していたならシャーロットとの関係性を当時説明する義務があったし、リデルに間柄を誤解される程シャーロットを優先していた事は紛れもない事実。愛する妻を放ってシャーロットと赤ん坊を愛でておいて、それでよく愛してるなんて言えたな…?と腑に落ちません。
オスカーがリデルのためにしたことと言えば、死後の懺悔と墓参りのみです。いくら読み進めてもオスカーへの不満が溜まる一方でした。

ジュリエットに関しても転生後の葛藤が弱くご都合主義感が否めません。「死んだ時役に立てて嬉しかったのよ」的な発言でジュリエット(リデル)の懐の深さを出そうとしてるシーンがありました。でも読み返して見て下さい。リデルさん、夫に蔑ろにされて失意の中お亡くなりになりましたよね?夫に貰った剣で死ぬ皮肉さに失笑してましたよね?リデルの死が都合良く補正されてて、悪い意味でびっくりしました。"過去を水に流す懐の広いヒロイン"で済ませればそれまでなんですけどね…。
生前のリデルが報われるほどのエピソードは無かったです。「誤解が解けて幸せになる話」というよりも「誤解が解けた話」で完結しています。非常に残念でした。
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