親愛なるジーンへ
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親愛なるジーンへ

吾妻香夜

誰もが思う、自分とは

ネタバレ
2024年12月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ ラムスプリンガのスピンオフというか。オズの親友の兄、ジーンの物語であり、トレヴァーの物語。ニューヨークの街で出会った2人が一緒にいることになり、離れ離れになるまで。トレヴァーの手記で甥のジーンが知る過去のお話。誰もが自分とは何か。その他大勢でない自分になれるのではないかと思う若い頃。それを追いかけるべきか。とどまるべきか。悩みながらトレヴァーの元を離れるジーン。ジーンのしたことを酷いと思う方もいるかもですけれど。一度離れたからこそ、戻ってくるのは難しい。トレヴァーとの時間が大切だったからこそ…。切な〜い。でもそんな彼らの気持ちを我々読者は、いつか感じたような郷愁の気持ちも感じながら読むのです。愛とは難しい。与えるだけでも足りないし与えられるだけでも寂しくて。一気読みお勧めします。
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