地獄の中でしか咲かない花




「鳴子部隊編」
一緒に逃げてしまいましょうか、と言うソノを綺麗だと思ったことでヒソーチョは初めて自分の中の生きたいという気持ちを肯定できたのかもしれない。だから、十三話の無事の帰還は本当はソノとヒソーチョ二人でやり遂げたことなのかも。一式に乗って帰宅するソノを見送ったときにヒソーチョはあの状況が生んだ恋人を失ったんだと思う。だから、ラストのキスは彼にとっては最初で最後の恋人同士としてのキスだったのではないかと思った。
途中の、2人の間に距離ができてしまった描写を見るのはとても辛かった。あのようになったことで、ソノから与えられていたものをヒソーチョは思い知ることになったのかもしれないけど、失う辛さもそこで受け入れてしまったようにみえたから。
「戦後」
文一郎の中には、生きていく上でソノが最も大事な存在だ、という想いが譲れないものとしてしっかりとあるようだ。対して、ソノは男同士でずっと一緒にいることが望みだったのだろうか?その違いがどうしても埋められない。
ソノが、大嫌いです、と「攻め」てた理由、それは、、強く、優しく、正しくあろうとするヒソーチョだと、ソノのことを好きであるにも関わらず、本当にずっと愛し続けてくれていたソノに会わないし、愛に応えられないから、なのか?それとも、そうやって何もかも1人で背負い込んでしまうのが心底嫌だ、ということなのか。だけど、ずっとソノに会わないでソノのことを思い続けるというのが、在り方を変えられない文一郎の選んだ愛し方だったようだ。
言っておきながらも、攫って逃げることなど出来なかった過去を持つソノ、、。比べて、トラウマに苦しみ震えながらでも現実のなかで生きると決めた文一郎の方が前に進もうとしているようには見えた。背中がどんなに寂しそうでも。
常時であれば超えられないような壁を超えて逢瀬したのがあの夜たちだったんだな、、読んでいて胸が苦しくて辛い。でもどうしても読んでいたいし、これは自分にとっての大切な物語だ。
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