犬に噛まれたと思って忘れますからお構いなく ~顔が好みすぎる騎士様に思いのほか溺愛された件~
小山内慧夢/ちょめ仔
このレビューはネタバレを含みます▼
少しユルいけど、現実はしっかり見据えているヒロインと、複雑な境遇で育ったヒーローのお話。なんですが、ヒーローが自分の出自が娼館で、それ故に最初は認知もされずに幼少期を過ごしていたにも関わらず、自分自身も生まれ育った娼館に通う常連って、ちょっと下半身も思考も緩すぎでは?一応伯爵家嫡男なのに。貴族として女性への接し方を学ぶために娼婦相手に練習ってのもナゾ。娼婦に貴族令嬢のマネを求めるのは無理だろうって話だし、貴族令嬢相手に興が乗ったらそのままヤるとかあり得ないから、練習なんて建前の単なるコスプレ趣味じゃないん?という印象。ついでに言えば、常連になるほど通っていたらヒロインと結ばれたとしても、ヒロインの商売の取引先である娼館の娼婦との間にも、自分と同じような婚外子がすでに出来てしまっている可能性もあるのに。しかも相手の娼婦はヒロインとも顔馴染みという、なんともドロ沼設定のゲス行為。しかもヒロインが今まで娼館のシーツを洗濯してた洗濯屋という事は、ヒーローが他の娼婦とイタした後のシーツも今までヒロインは洗っていた、という何ともシュールというか、かなり気持ち悪い可能性も。自分の境遇があるからこそヒーローには似たような子を出さないために自重して欲しいもんですが、このヒーローは自分もそうだからと抵抗なく娼館通いをし、似たような婚外子が出来てもさほど抵抗がないのか?なくて母子とも引き取るならそれはそれで公然の妾と婚外子を受け入れるというヒロイン的には何とも酷な状況となりそうでモヤモヤします。ヒロインには誠実そうでいいキャラ設定で書かれているだけに、そこが余計悪目立ちして気になりました。
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