ぼくたちの死体さがし
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ぼくたちの死体さがし

山崎峰水

恐ろしく薄気味悪い展開、前向き中学生活躍

2024年12月18日
シーモア(島)でお勧めあり読みに来た。映画スタンドバイミーを思い起こすが、違う。組織的地域的犯罪に仕立てられたが操縦ミスではなかったか。
敵が多い、誰が敵か味方か、という環境設定には役立ったかもしれないが。しかしそれも、読者目くらましの為の演出上の小細工が効果を高め損ねた。

ストーリーはスピード感溢れる展開と、中学生4人のたくましさと幼さの不均衡を上手く活用されて面白かった。
森、動物、鉄塔の冒険を好奇心や友情の中に上手く嵌めてあり、とてつもない犯罪のダークさとのかみ合わせにはミスマッチ感。犯罪のスケールの割に小粒な器の骨格、ところどころ無理な印象も。

しかし私の男性向け漫画に抱く苦手な要素は本作では1個だけ、血生臭さのみ。
中学生にしては余りにハードな経験ではあったろうが、この「ひと夏の大冒険」などと言った簡単な総括がしにくい希有な事件のサバイバーとしての成長もチラ見せで、凄惨な話の割にはサラリとした感触の、冒険がお話の根っこにある作り話である前提を強調していて読みにくさが無い。
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