このレビューはネタバレを含みます▼
ホストの一条虎太郎は、自分の担当する姫が失踪したことから姫の父親が組長のヤクザ達に追われて囚われの身となってしまいます。監視役の藤ヶ谷薫は無表情かつ捉えどころのない男で、姫の居場所を吐かない虎太郎を拷問としてレ◯プしますが、虎太郎はなんだか気持ち良くていっぱいイかされてしまいます。調子の良い陽キャな虎太郎は、無表情な薫を期日内に笑わせたら逃してくれ、笑わせられなかったら姫の居場所を言うとよくわからない提案をします。そう、虎太郎はかなりのおバカなのでした。そこから薫が虎太郎に振り回される愉快なやりとりが始まります。無口でクールな薫を兄貴と慕う舎弟や武闘派のゴリラら個性的な子分たちも彩りを添えます。登場人物たちがちょいちょいミニキャラ化するのですが、それが可愛すぎないので甘くならず、ギャグみが深いです。人生ゲームのくだりは傑作でした。上下2冊をかけてコミカルさはもちろん、エロも純愛もじっくりと楽しめます。陽気なおバカでも決して姫の居場所を言わず約束を守る虎太郎の誠実さ、そして本編ラストの満を持しての薫の笑顔が素晴らしかったです。