このレビューはネタバレを含みます▼
正直、絵はかなり好みが分かれると思います。だけど秀逸なストーリーが主役だからこそ、挿絵としてむしろピッタリだと思いました。カモとなる加賀谷が話に食いついた時の蓮の表情。無機質な絵だからこそ表情が際立ち、ゾクっときました。ストーリーの詳細は伏せますが、2年の刑期を終え一緒に住み始めます。詐欺師として金を騙し取っていた蓮は一変、何も欲しがらなくなります。詐欺を働いたのは、もらえなかった愛情をお金で埋めようとしていたからなのでしょうね。(ああ、また涙が 笑)
小説も読んでいますが、読むたびにやり場のない悲しみに襲われます。親の愛情を受けずに育った子供が犯罪を犯す…。情状酌量の意義を深く考えます。本作はキリの良いところで終わっていますが、コミックでは描かれなかった前科者であるが故に、ちょっとした誤解から解雇されるなど悲しい話もあります。ラノベも発売されていますので、ぜひ併せて読んでいただきたいです。描き下ろしに登場する女性たちのこともわかりますよ。